こちら東京も日に日に寒くなってきました。上手に寒さ対策をしてこの冬を乗り切っていきたいところです。
その寒さ対策。ただ温めればいいという話ではなく、多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)の人にとっては「上手に」というところがポイントなのではないかと思います。
[広告]
寒くなると悪化しやすい症状
3疾患では、寒くなると症状が変動することがあります。特に「痛みやしびれ」「つっぱり感」がひどくなるという話が多いです。そうなると再発が心配になるかもしれませんが、それが日に日に強くなる・範囲が広がるといったことがなければ、再発の可能性は低いです(でも続くようなら主治医に伝えてください)。
人によっては、温めたりマッサージをしたりして対処しています。対処法は人によって違うので、いろいろ試して、これがいいなと感じる方法を見つけてみてください。
先日話を伺った人は、寒くなると膝から下のピリピリした痛みが増すとのことで「あずきのチカラ(首肩用)」を使っていました。電子レンジでチンして気になる部分に当てることで、そこをじんわり温めてくれるものです。
また、意外にいいのがドライヤーとも話していました。すぐに温かくしてくれて、温まり過ぎたら冷風に切り替えられます。即効性に優れていてお勧めとのことでした。
こんなページもありました。電子レンジで使える湯たんぽが紹介されています。あずきのチカラも掲載されています。冷やしても使える2WAY商品もあって便利そうです。
→【2022年】電子レンジ湯たんぽのおすすめ人気ランキング40選
ウートフ現象とのバランス
「寒くて困るのならずっと温めておけばいいのでは」と思うかもしれませんが、3疾患にとって悩ましいのがウートフ現象とのバランスです。
体温が上がると視力低下やしびれなどの感覚障害、脱力、倦怠感などの症状が一時的に悪化することがあります。これは「ウートフ現象」と呼ばれ、体温が下がれば症状は回復します。ウートフ現象の有無と程度は人それぞれです。
多発性硬化症のあらまし「症状」
先ほどの人も「寒くても暑くてもだめ」とのことで、体が温まり過ぎてもしびれが強くなるそうです。すばやく冷風に切り替えられるドライヤーを使っているのはそのためでもある、とのことでした。
私もウートフ現象があって、もしかしたら冬の方がやっかいかもしれないなと思っています。夏はとにかく冷やせばいいだけですが、冬は冷やすと寒いです。でも暖房を効かせ過ぎるとウートフ現象が出てきます。お風呂も、湯船に浸かるとどうなるか分かっているので、ここ何年もシャワーで済ませています。
外出時も、あまり着込んで出ると、途中で足がふにゃふにゃになってしまうことがあります。
寒さ対策を上手に
そこで求められるのが、上手な寒さ対策です。私の場合は、脱ぎ着しやすい服を選んでいます。防寒のインナーを着てしまうと暑い時に脱ぐのが大変なので、インナーはほぼ着用せず、羽織れるタイプのをよく着ています。
そして、冷凍庫にはアイスを常備しています。このアイスなのですが、この時期はガリガリ君のようなシャーベット系は凍えてしまう感じなので、まろやかに冷やしてくれるバニラアイス系を買っています。
Twitterで冬のウートフ対策を聞いてみたところ、いくつか対策が届きました。真夏はみなさんガンガン冷やしていましたが、冬はほんのり温度を下げる、といった印象です。
お伝えしたことがあるかもしれませんが、冬場のウートフ対策でバッグに扇子を入れています。ウートフが出たら扇ぐようにしています。
— りばーじゅ2015 @多発性硬化症入門書販売中 (@rivage2015) December 4, 2022
小さなスプレーボトルに水を入れておいて、首を軽くスプレーして扇子で扇いだりしてます。
— さっこ/ MS (@ms_sm_skmo) December 4, 2022
物理的に気化熱による冷やす力を使ってます😅
関西在住の道産子なので、寒いと感じるタイミングが割と少なく短いのですが、私は袖口がボックス型?筒型?きゅっとなってない形だと熱がこもりにくていい感じです。…ただいまだに半袖+カーディガンです。笑
— みどりーぬ▼・㉨・▼#V626 (@nnan_ohLDL) December 4, 2022
これからエアコンで頭が暑い時期になるので、夏同様ネックファンを使おうと思ってます!
MOGAD一年生なのでまだ探り探りですが職場では暖房対策で夏に使っていたクールリングを首につけてます。冷え過ぎないので今の時期でもちょうど良いです!
— 紫穂 (@PLTF0lNwaMeH6XE) December 4, 2022
軽く運動して内側から温める
寒い時には体の内側から温めるということで、少し運動するのもいいかもしれません。時期に関わらず、ラジオ体操をしている人が多いです。
私は、ここ何年もお風呂はシャワーで済ませていると書きましたが、脱衣時は寒いんですよね。すぐに湯船で温まれるわけでもないので、お風呂に入る前に軽く運動することが多いです。今年から始めた空手を少し練習して、それから服を脱ぐようにしています。
寒い日が続くと、ついつい家にこもりがちです。室内でこうして運動をすることは、運動不足の解消にもなると思いながら・・・♪
まとめ
ウートフ現象を抱えながらの寒さ対策。まとめると以下のような感じです。
温めたい
・ラジオ体操などの軽い運動
・湯たんぽなど温めグッズ
体温調整したい
・ドライヤーの温風と冷風
・脱ぎ着のしやすい服で重ね着
冷ましたい
・アイス(特にバニラアイス系)
・外出時、扇子を常備
・スプレーボトルに水を入れておき、適宜首をスプレー後、扇子で扇ぐ
・袖口に余裕のある服
・ネックファン
・クールリング
このブログを見てくださっている人も、何か対策をお持ちだと思います。ぜひここで共有させていただきたく、MSキャビンまでお寄せください。「お問い合わせ」からお願いいたしします。
(文:中田郷子 編集委員監修済)
お寄せいただいた対策
このブログの公開後にお寄せいただいた対策です。共有ありがとうございます!
- snowmanさん(MS患者)から
私は、暑いのは大丈夫ですが、冬の寒い日の方が足がこわばり、痛みが出るので苦手です。私も「あずきのチカラ」を使っています。痛いところに当てながら寝ます。外出時の携帯用カイロは必須ですね。
- YUMIKOさん(MS患者)から
寒くなると「つっぱり感」や「身体のこわばり感」が強くなります。そのため軽い運動として水泳や水中ウオークなど行っています。運動量にもよりますが、水中運動では体温もそこまで上がることなく、運動後もじんわりと身体が温まり持続しているのを感じます。身体のこわばりも楽になり、また寒さ対策にもなっています。スタジオでの運動や散歩の場合、疲労感が増強したり、足がもつれ転倒しやすくなりますが、水中運動だと浮くので心配ありません。
運営はみなさまからのご寄付に大きく支えられています。ぜひご支援をお願いいたします!→「ご支援のお願い」