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2022年5月26日 新規公開
梅雨の時期は普段よりも調子が悪い、という患者さんもいるのではないかと思います。
3疾患では症状がよく変動します。症状の変動は気候や体調、ストレス、体温の急な変化などで起こりやすく、自律神経の働きの乱れが関わっていることもあります。病気自体が悪くなっているわけではありません(多発性硬化症完全ブック第5版、視神経脊髄炎完全ブック第2版より)。
再発かも?と思ったら
症状が変化した場合は基本的に「まずは少し様子を見て、回復しそうになかったら主治医に連絡」という流れになります。こちらのページが参考になるかと思います。
→再発が疑われる時(多発性硬化症)
→再発が疑われる時(視神経脊髄炎)
→再発が疑われる時(MOG抗体関連疾患)
ゆっくり快適に過ごす
調子が悪いなと感じる時は、できるだけ無理をしないでほしいです。あまり予定を詰め込まない、いつもよりペースを落としてゆっくり過ごす、良質な睡眠を確保するなど心掛けてください。
また3疾患とも、体温が上がると神経症状が一時的に悪くなる「ウートフ現象」があります。暑い日はエアコンや扇風機で快適な室温を保つようにしてください。電気代は気になりますが、ウートフ現象を我慢するのもつらいです。また、脱力や視力の悪化などによって転倒してけがをしてしまったら大変です。
ウートフ現象についてはこちらをご覧ください。
→症状(多発性硬化症)
→症状(視神経脊髄炎)
→症状(MOG抗体関連疾患)
外出の際には転倒に注意
雨の日は路面が濡れています。歩行困難の症状がある場合は特に、滑って転ばないように注意してほしいです。状態によっては杖を使用することも検討してください。
けれどもその杖。リュックサックを背負ったとしても、杖を使って傘を差すと両手がふさがってしまうんですよね。これに対して、体やリュックサックのストラップに固定できるような傘やグッズが販売されています。「傘保持ベルト」「ハンズフリーアンブレラ」などで検索できます。
あと、風が強い時は、傘が風にあおられて転倒につながってしまうことがあります。そのような日はレインコートを着用したほうが安全かもしれません。
そもそも雨の日は外出を控えた方が…という話もありますが、そうも言っていられない時もありますよね。タクシーを利用するのか、皆さんどうしているでしょうか。それと、転倒防止のために杖や歩行器を使う場合、正しい使い方を習得するため一度、理学療法士に相談できるかどうか、主治医に聞いてみてください。
雨の日の外出(シェアありがとうございます!)
◉風の強い日は、リュックを背負ったまま着れるレインコートを傘代わりに使っています。ランドセルを背負う小学生用で、身長160センチサイズのです。顔部分が透明ビニールになっていて、フードを深くかぶっても視界が確保できます(Andieさんから)。
◉杖先のゴムを滑りにくいタイプに変えておくのもお勧めです。福祉用品や杖の専門店なら、このあたりの話に詳しいと思います(Andieさんから)。
雨の日の外出において工夫していることがありましたら、ここでシェアさせていただきたいです。「お問い合わせ」からお願いします!
薬で緩和できることも
痛みやしびれなどは、薬で軽減できることがあります。つらい時期だけ服用することもできるので、主治医にご相談ください。どのような薬が使われるかは、こちらをご覧ください(それぞれページの中ほど)。
→治療(多発性硬化症)
→治療(視神経脊髄炎)
→治療(MOG抗体関連疾患)
これら痛みやしびれの薬は、市販の痛み止めと違って、服用してもすぐに効果が現れないことが多いです。数日〜数週間は様子を見ながら、用量を調節したり種類を替えたり増やしたりしていきます。服用後の症状の変化を観察して、主治医に報告するようにしてください。
ご自身を責めないでください
脱力感などの症状がひどくなると「自分がしっかりしていないせいだ」「気合が足りないせいだ」「怠けているからだ」などと考えてしまうことがあるかもしれません。また「梅雨の時期はみんな調子悪くなるもんだよ」と、軽い感じで言われることもあるかもしれません。
けれども最初に書いたように3疾患とも、症状は気候や体調などの影響で変動することが多いです。これを忘れないように、決してご自身を責めないようにしてほしいです。
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また情報誌バナナチップスPlusでは、病気と付き合う上で役立てていただけるような話題も掲載しています。
この時期、何とかうまく乗り切っていきたいですよね。乗り切ったら乗り切ったで、あの灼熱の真夏がやってきますが..。(文:中田郷子 編集委員監修済)
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YouTubeでも解説しています。
→多発性硬化症いろいろ(18分)