春は仕事や学業などで環境が変わることが多く、新しい出会いもありますよね。それにあたって、こんな悩みはありませんか?
- 病気のことを伝えた方がいいか、黙っていた方がいいか
- 伝えるとしたら、どう説明したらいいだろう?
今回は、多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)の人が、周囲に病気を打ち明けることについて書いてみます。
みなさんが実際にどうしているか、Twitterで募集したお話も掲載しています☆
[広告]
打ち明けたら、やり直しがきかない
まず頭に入れておいてほしいのは、「打ち明けたら、やり直しがきかない」ことです。
伝えることで、周りの人には何らかの影響を与えます。告知後の状況を想定して、良い結果になりそうな選択を考えてください。
「多発性硬化症完全ブック第4版」第9章 社会生活の過ごし方
「視神経脊髄炎完全ブック第1版」第8章 社会生活の過ごし方 より
この文章は結構深くて、マーカーを引いておいてほしいくらいです。
そう、病名を伝えることで、周囲からの理解が得られる一方、「言わなければよかった..」ということもあるのです。
軽めの話としては、健康器具・食品を勧めらるようになって面倒くさくなったとか、「私もどこどこが調子悪い」といった調子で話を持っていかれた、などの話が聞かれます。
深刻な話としては、病気のことを職場に伝えたら業務が回ってこなくなったとか、フルタイムでいたいのに時短を勧められた、などという話があります。
「伝えたらどうなるか」を、じっくり想定して決めるようにしてください。
打ち明けの場面をイメージ
想定の仕方としては、次の6つをイメージするといいかもしれません。
- いつ伝える
- 誰に伝える
- どこで伝える
- どこまで伝える
- どのように伝える
- なぜ伝える
例えば仕事で配慮してほしいことがあるとしたら、下記のように考えられるかと思います。
- いつ伝える →すぐ?
- 誰に伝える →上司? 同僚?
- どこで伝える →職場? 他の人に聞かれない場所?
- どこまで伝える →全部? 配慮に関わることだけ?
- どのように伝える →直接? 電話?
- なぜ伝える →配慮してほしいから。他には?
病名を伝えるメリット
慎重な話をしてきましたが、病気のことを周りに伝えると、次のようなメリットがあります。
- 安心感や心の支えが得られる
- サポートしてくれる仲間が得られる
- 体調が悪いことをオープンにできる
- 病気のことを相談できる
伝える時は、下記のページを利用していただけるといいかなと思います。3疾患について簡単に解説しています。
→すぐ分かる多発性硬化症
→すぐ分かる視神経脊髄炎
→すぐ分かるMOG抗体関連疾患
Twitterに寄せられたお話もご覧ください(○件の返信を読むをタップ/クリックしてください)。
伝える時は相手のペースを尊重して
3疾患とも理解が難しい病気です。患者さんご自身も最初、すぐに理解できなかったと思います。なので周りに説明する時は「分かってもらえないのが普通」という気持ちで始めるといいかもしれません。
そして「相手のペースを考えながら、あせらずゆっくり」も大事なポイントです☆
初めて知り合った人のような人の場合、自己紹介の段階で病名を告知されたらどう感じるでしょうか。自分がその立場ならどんな反応をしたら良いか、困ってしまうのではないでしょうか。
「多発性硬化症完全ブック第4版」第9章 社会生活の過ごし方
「視神経脊髄炎完全ブック第1版」第8章 社会生活の過ごし方 より
大事な話を打ち明けられたら、相手も緊張して構えますよね。どのような反応が適切なのか、どんな言葉で返したらいいのか、NGワードは何かなど、いろいろな思いがグルグルと頭の中を駆け巡っているはずです。
病気を受け止めて理解するまでにはたいてい、時間がかかります。こちらが期待する反応がすぐに返って来ないのは普通のこと。伝えた相手を信じて、相手のペースを尊重することも大切かなと思います。
Twitterで寄せられた話
最後に、実際に病気のことをどのように打ち明けているか、Twitterで寄せられた話をご紹介いたします(○件の返信を読むをタップ/クリックしてください)。
病名を伝えただけで、ある程度は分かってもらえるように、MSキャビンとしてはこれからも疾患啓発に努めます☆
(文:中田郷子 編集委員監修済)
運営はみなさまからのご寄付に大きく支えられています。ぜひご支援をお願いいたします!→「ご支援のお願い」